2017年7月6日木曜日

ホームレス支援 あんなこと・こんなこと

 「こころの港」は「カトリック正義と平和仙台協議会」と共に仙台に拠点を置いてから継続して活動を行っています。月1回づつのホースレス支援と夜回りボランティアは今年で4年が過ぎました。ニュースレターに記載されたホームレス支援についての記事を紹介します。


                      
 カトリック正義と平和仙台協議会の中でホームレス支援を開始してから17年目に突入しました。始まって間もなくの頃,2月の炊きだしで出会ったSさんのことを思い出します。Sさんは厳寒の公園の植え込みの中で動けない状態で発見されました。救急車で市立病院へ搬送。医師からは「飢餓状態なので,食事をとれば大丈夫。」とお話をいただきました。即「お引き取り下さい。」次にこの件で,福祉事務所へ向かいました。答えは「元の公園に戻して下さい。」でした。Sさんを連れて,迷わず今は亡き渡辺清さん宅に担ぎ込みました。ホームレスとしての生活の長さでしょう,まずは入浴介助の開始。下着が肌にこびりついて脱ぐことができずに,ハサミでジョキジョキ切り取りました。脱いだズボンがゴワゴワして二本の柱の様でした。医師の言う通り,食事の提供から三日目には何とか伝い歩くまでに回復しました。介護を交代して二日目は主日でした。ミサの福音書の朗読が読まれました。「飢えている者に食物を・・・・。」でした。Sさんの回復の喜びと神様からのお恵みを感じ,感動の涙が溢れました。Sさんは病院を経て,施設に入り,不安のない生活に落ち着きました。

 もう一つの思い出は2011年東日本大震災の時のことです。大震災の次の日が炊き出しに予定されていました。断水でしたが,エメ神父様は元寺小路教会の貯水槽に跳び乗り,上部の蓋を開けて,バケツで水をくむことができました。そのおかげで,通常のメニューは提供できませんでしたが,温かい飲み物を出すことができました。その後,マンション難民・避難所への炊き出し・仮設住宅での手伝い・南相馬原町教会等で,これまでの炊き出しの経験を活かすことができました。

 今年の7月には時限立法だった「ホームレス等自立支援法」の期限が迫っております。夫々の支援団体と行政が担ってきた役割が不利益にならない様,全国のホームレス支援ネットワークとして,厚生労働省への働きかけを行っています。仙台市でホームレスの概数調査が行われたのは2004年のことで,その年がピークで253名,徐々に減少傾向が続き2017年1月の調査では100名を切ったそうです。(間もなく厚生労働省の発表があります。)東北6県中,仙台市が際立って支援ができたことは,民間の支援団体が多く存在していた事があげられます。行政のハード面の支援も不可欠ですが,実際の支援は人の温もりとしてのソフト面の関わりがいかに必要とされているかを日々感じております。このような実のある支援活動にするために,まさに「自立支援法」があったからと痛感しております。

 私は,2000年カトリック正義と平和仙台協議会が最初の一歩として動き出した,夜回り・炊き出しの活動の中から,余儀なくホームレスになっている方々の希望に耳を傾けた結果が,国の作成した生活困窮者支援マニュアルにもつながっていると思います。ホームレス支援に関わる大きな恵みを実感できる日々に感謝しております。

 多くの支援の手を差し伸べて下さる皆様に,心より感謝申し上げます。今後とも


よろしくご指導をお願いします。


 芳賀 ヒロ子






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